前回の「セラミック治療はどこで治療しても同じ??」は参考になりましたでしょうか?
今回はその続きのお話をしたいと思います。
「②修復物を歯に付ける時の処置の違い(ラバーダム防湿をしている)」について説明して行きます。
みなさんは、虫歯の治療や歯を修復する治療を受ける時にラバーダム防湿をした経験はございますか?患者さんに尋ねるとほぼ全員が経験したことありませんと答えます。歯の治療に詳しい患者さんは根や神経の治療にはラバーダム防湿をした方が良いことを知っていても、修復治療にもラバーダム防湿を用いることは中々認知されていません。
では、そもそもラバーダム防湿はどんなメリットがあるのでしょうか?
以前のブログ「ラバーダム防湿とは??」で概要は説明しておりますので、参考にしてください。
今回は一歩進んだお話をして行きます。修復物を歯に接着させる際にラバーダム防湿をしているとどんなメリットがあるかをご説明して行きます。
よくある修復の仕方は歯を削って、型取りをして次回まで仮蓋(かりのふた)をします。次に来院した時にその仮蓋を外して、そのままお口を開いて修復物 (銀歯など)をつけていきます(ラバーダム防湿はしていない)。下の図のような状態に銀歯やセラミックを被せて行きます。仮蓋時からしみて痛い、修復物を付けた後も痛みがあるなど経験したことはありませんか?
上の図のようになっていると、仮蓋を外した後に歯に汚れがついているがそのまま付けるかもしくは少し汚れを落とせても一部汚れが残ってしまいます。またお口の中は湿度が95%ある為にしっかりと接着させることはできていません。お風呂場の壁に物をしっかり接着させれないのと同じで想像がつくと思います。このようなことから痛みや、外れたりすることが起きます。
では、ラバーダム防湿をしているとどんなメリットがあるかを見て行きましょう。ラバーダム防湿をしているために、歯茎が露出していないのが分かると思います。
下記の図のように、仮蓋を外した後に汚れを染め出しをしてみましょう。
染め出してみると実はこんなに汚れがついているのです。この汚れが付いたまま修復物を付けてもしっかり付いていないので、術後に痛みが出たり外れたり割れたりしやすくなります。このような治療はやり直しの治療を繰り返すので歯がどんどん失われていきます。
ラバーダム防湿をしていると特殊な汚れを落とす機械で完全に綺麗にすることができます。
また歯に特殊加工をすることで、修復物が強固に歯と接着することを可能にします。
明らかに歯がクリーンになっており、白くなっているのが分かると思います。
上記の動画のように処理をして接着した修復物は中で虫歯になることもなく、外れたり、痛みが出たり、壊れたりするリスクが圧倒的に少なくなります。また強固に接着させることができる為に、歯の切削量を最小にすることができます。(維持を得るために余計な歯を一切削らなくて済むからです。)
このようなことから、やり直しの治療をする確率が激減するということです。欧米のような世界基準の治療方法を当院では取り入れております。もちろん噛み合わせや歯ぎしり、歯周病など全てのバランスの中でその歯の寿命というのは決まって行きますので、総合的に治療できる設備と環境を整えています。
このように、ラバーダ防湿を行ったセラミック修復は本来のような歯を取り戻し予後も大変安定しております。このような修復治療があるということを今回はお伝えできたらと思いました。気になる方は気軽にご質問してください。もちろん歯を長期的に安定させるにはメンテナンスも大事になります。自分の歯は自分で守る意識を持っていただきながら、治療やアドバイスでは精一杯サポートさせていただきますので、お口の健康を保って行きましょう。また、次のブログでは続きのお話をさせていただきます。今回も長い文章を読んでいただきありがとうございました。
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